導入事例(User's Voice)Vol.4建築3DCAD A's(エース)

自由設計でもプラン段階で見積もり作成が可能に
「A’s」の積算機能が設計事務所の悩みを解消

株式会社プラスエム設計 様

プラスエム設計では建築士による設計・監理のもと、お施主様が専門業者と個別に契約して家づくりを進める「オープンシステム(分離発注方式)」を提唱、実践しています。自由設計の家づくりはお施主様のこだわりを存分に反映できる一方、実施設計の完了まで詳細な建築費を提示できない点が悩みでしたが、同社ではシーピーユーの建築3次元CAD「A’s(エース)」に搭載されている積算機能を活用し、プランニング段階から価格の見える家づくりを可能にしています。

建築費をいかに削るか。後ろ向きの作業がゼロに

オープンシステムは1993年、プラスエム設計代表取締役の山中省吾さんが全国に先駆けて取り組み始めた建築手法です。設計事務所がこれまでの設計・監理業務に加えて、分離発注のマネジメント業務を受託し、そのマネジメントのもと、大工や内装など複数の専門業者がお施主様と直に請負契約を交わします。山中さんはそのメリットについて、「建築業界特有の多重下請け構造がなくなりますので、コストが抑えられます。それに、お施主様の思いがダイレクトに業者に伝わりますから、満足度の高い家づくりにつながります」と話します。その後、オープンシステムに取り組む設計事務所の輪は全国約150社にまで広がり、同社をはじめとする各社の施工実績の累計は、現在までに約5,000棟に上ります。

同社のような設計事務所では、お施主様のこだわりを取り入れた自由度の高い設計が強みと言えます。ただし、決まったプランがないだけに、実施設計が終わって各専門業者の見積もりが出そろうまで、建築費が確定しません。そのため、お施主様の要望をあれこれと取り入れた結果、いざ見積もりを出してみると当初の予算を大きくオーバーしてしまっていたという事態が頻繁に生じていました。

▲ プラン検討時の見積もり作成に「エース」を活用する代表取締役の山中さん

「予算オーバーだからと、建築費を削るために打ち合わせたり、プランを練り直したりするのは、お施主様にとっても私たちにとっても後ろ向きで楽しくない作業です。かと言って、プランを変更するたびに、見積もりを取り直すのは手間も時間もかかり、現実的と言えません。何とかプランニングの段階から精度の高い見積もりを提示することはできないかと常々思っていました」(山中さん)。

そんな悩みを解決したのが「エース」でした。現在では、プランニング段階でも、入力済みのデータをもとにほぼ正確な見積もりを自動で作成することが可能になり、山中さんは「お施主様にとってはプラン変更によって、建築費がどの程度変わるのかが一目瞭然で、比較検討しやすくなりました。私たちにとっても、実施設計後のやり直しがなくなり、省力化につながりました」と笑顔を見せます。

耐震や断熱性能に関わる仕様など可能なところを標準化
▲ 「エース」を使って設計する建築士。優れた操作性を高く評価しています

とはいえ、自由設計の家づくりの場合、使用する部材やその単価が決まっていませんから、自動的に見積もりを作成するのは困難です。そこで、同社ではこの問題をクリアするため、自由設計をベースにしながらも、可能な限り、標準仕様を定めることにしました。

「まず、基礎のディテールなど、建築士によって差異があった部分を設計事務所として統一しました。また、耐震等級、断熱等級、劣化等級、維持管理等級についても、設計事務所としての思想・哲学を反映させ、いずれも現行基準における最高等級を標準としました。すると、例えば最高レベルの断熱性能を確保するには、このサッシが必要といった具合にかなりの部分を標準化することができました」(山中さん)。

さらに、同社ではキッチンや風呂、ドア、屋根材、床材、外壁材などの標準化にも取り組みました。これらはお施主様の要望によって変更も多いため、例えば屋根材ならば金属系と瓦系など、複数の標準仕様を設定。排水設備など、プランニングの段階で確定できないものについては過去の平均値を計上するようにしました。もちろん、お施主様のこだわりを取り入れた結果、あらかじめ用意しておいた仕様では対応できないこともありますが、その場合は手計算で求めた金額と部分的に積算データを入れ替え、対応しています。

自動積算の充実化目指し同業他社とも情報共有へ

そもそもプラスエム設計がシーピーユーの建築3次元CADを導入したのは2015年にさかのぼります。きっかけは、山中さんが自ら学んだマーケティング理論に基づいて、ホームページや広告を通じて情報発信したところ、資料請求が10倍以上に増え、一気に仕事量が増えたことでした。当時の社員数は3人だけで、求人をかけてもすぐには人材が集まらなかったため、それならば業務の効率化を進めようと考えたのです。従来使っていた2次元CADからの切り替えにあたっては、他の設計事務所から聞いた「シーピーユーの製品は操作性がすごくいい。特に説明を受けなくても、画面をじっとみていれば何となく分かる」との評判が決め手となりました。

「優れた操作性は前評判の通りでした。それまではラフスケッチをプレゼン用に清書するのに1週間ほどかかっていましたが、導入後はきれいな3Dパースが1日でできるようになりました。実施設計に要する期間も、1カ月から1週間ほどに短縮できました」(山中さん)。

その上、お施主様の要望に応じて、その場で間取りやデザインを変更して検討できるため、打ち合わせもスピードアップ。3Dパースがリアルなので、以前は1軒につき2つ、3つと作ることがあった模型も必要なくなりました。

先述したように、積算機能の活用にも意欲的で、山中さんは現在、オープンシステムに取り組む全国の設計事務所と組織する「分離発注実務研究会」の十数社に対して自動積算のノウハウを伝えており、「今後、各社がエースを導入し、仕様や単価などの情報を共有すれば、プランニングの幅が広がり、より多様な建物について自動積算が可能になる」と期待を膨らませています。

▲ 「エース」で作成した3Dパース。効果的なプレゼンに役立っています
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※取材日:2019年11月

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